水曜日の『自然』テーマに続いて、木曜日の『ヒトの世界』テーマも活動が始まりました。
はじめに、夏休み明けからは新しい仲間が増えたので、自己紹介や自分の好きなことをスタッフも含めて発表しました。
今回、初めて参加した子は少し緊張している様子でしたが、お互いのことを知ることで少し打ち解けられたようです。
【このテーマではどんなことをするの?】
『ヒトの世界』では、ヒトが作ったものや関わっていることをテーマに活動を進めていきます。
今回は初回ですので、ヒトが作ったものとそうでないものを区別できるようになるために、駅前に行って『ヒトが作ったもの探し』を行いました。
駅前には高い建物、たくさんのお店、観覧車など、見るからにヒトが作ったものがたくさんあります。
見つけたものについては、持って行った記録用紙にメモをしていきます。
『自転車、道路、ドア、家とか、ひとが作ったものばっかりだなぁ』
駐輪場の傍ではこのような看板を見つけました。
これは放置自転車禁止区域について記載されている看板です。
子「これ何?なんか地図が赤くなっているね。」
スタッフ「これは、自転車を勝手に道路に停めたらダメっていう事を書いているんだよ。」
子「あーなるほどね」
ここで子ども達にはこんな話もしました。
スタッフ「看板はひとが作ったものだけど、ルールもひとが作ったものだよね。ひとが作ったものの中には目に見えるものと、目に見えないものがあるっていう事かもね。」
子「ルールは見ることができないから看板を作るのかな」
お店の中には外よりもヒトが作ったものが溢れています。
「服、眼鏡、ご飯、棚、ぜーーんぶひとが作ってるじゃん。」
「外と違って、中は冷たい(冷房が効いている)から、空気もひとが作ったものだね。」
目に見えない空気までもヒトが管理しているということに気づきました。
都会の店の中で自然の物を探すのは非常に難しいということも感じたようです。
▽「野菜の種もひとが作ったものだね」
【ヒトが作った?作ってない?】
アーススクールに戻ったら、駅の周りで見つけたものを発表します。
そして、それらを『ヒトが作ったもの』と『ヒトが作っていないもの』に分けていきます。
バスや自動販売機、自転車など、はじめのうちは分けるのが簡単なものばかりでした。
しかし、そんな中で2人で意見が分かれたものがありました。
子A「スーパーの肉とか野菜はひとが作ったものだよね。」
子B「うーん。肉とか野菜は、動物とか植物が自分で育つからひとが作ったんじゃないと思うけどな。」
子A「でも、肉になる動物とかは人間が育てているから、ひとが作らないと食べれないんだよ。」
子A「自動販売機の天然水はひとが作ったものかな?」
子B「でも天然って書いてあるんだから自然からできているんじゃない?」
子A「たしかに。じゃあ、自然にあるものをひとが加工したっていう事だよね。そういう時はひとが作ったものに入るのかな?」
ものの製造過程のどこを切り取るかによって回答が変わることに気が付きました!
とてもいい話し合い、いい視点から考えることができました。
「ひとが作っているよね」「うん」という流れでの話し合いではなく、1つ1つを考えながら進められることができることで充実した議論につながります。
▽家庭用のエアコンしか知らない子ども達はお店のエアコンがどのような形なのかをアーススクール内で調べました。エアコンが天井に埋まっているとは思わなかったようです(笑)
▽ホワイトボードは出した意見で溢れています!
他にもペットショップのペットは人間が作ったのか、どうして陸を運行するバスとタクシーをどちらも作ったのかなど、街で見かけた疑問を深めて今回は終わりました。
【まとめ】
この日の話し合いでは、それって本当かな?という視点から意見が分かれて、それぞれが考えていることを話し合うことができました。
よく考えてみれば、完全に自然のもの、完全に人間が作り出しているものという事でなく、人間は自然から様々な恩恵を受けながら生活していることを感じたのではないかと思います。
一側面から考えるのではなく、多角的に物事を考えることができることで、世の中の見え方も変わってきます。
この日の子ども達の帰り道は、普段見ている景色とは変わったものに見えているかもしれませんね!
ライトマン