星野 陽介(ほっしー)

1. 小学生の頃はどんなこどもだった?

好きなこと、興味があることしかやらない小学生で、やりたくない教科はやらない子どもでした。学校の近くに自転車を隠しておき、授業が終わると自転車で隣町のプレイパークで火遊びを楽しんだり、2階の祖母の家の外(2階建て)からロープで地上まで降りるレスキュー隊ごっこなどをして過ごしていました。小学生の頃から怖いもの知らずで遊び方がユニークでだったので、周囲の友だちから距離を置かれることも…。でもそんな風に自分の興味のあることに熱中し、追及した経験があったからいまの自分があると考えています。

2. どんなことに興味関心を持ち、どんな学生時代を過ごした?

アウトドア1本の学生時代で、高校時代は毎週キャンプに行くことを目標としていました。夏休みには台風が上陸した大島でキャンプをして、テントの支柱が折れ浸水し水浸しで寝たり、軽装で西表島や石垣島でキャンプし熱中症・脱水症になったりした苦い経験も。好奇心が先走り福島で雪中キャンプをしたこともありました。ですが、そんな予期せぬハプニングや失敗を通じて学んだことは多くあり、いまの自分の活動にも役立つ経験です。

高校卒業後はカナダに3年半留学し、カナダ国内で使える狩猟免許を取得しました。友人の農場で害獣(プレイリードック)を駆除するお手伝いをしながら技術を身につけ、最終的にはバッファローを捕って食べられるように。友人の馬でキャンプに行ったこともあります。日本ではあまり危険視されていない野生動物からの攻撃に用心する様子が印象深かったです。

帰国後は環境保全を学ぶために専門学校に入学、感覚的に自分の中に入っている自然を学術的に理解する時間となりました。座学より実践的な授業が多いのが特徴の専門学校で、当時年間50~80日は実習でした。自分は生態学と分類学に興味を持ち、学びを深める対象としてクモ(スパイダー)を選び調査・観察・研究を繰り返す日々の成果として図鑑に分布記載されていない種を見つることができました。

卒業後は沖縄で自然案内をしていました。英語が喋れるので、主に大陸からの旅行客や米軍基地の軍人などに向けた案内をしていました。留学中は同年代やクラスメイト等、自分と近い人との交流が多かった一方、仕事となると多様な人と関わるようになることを感じた日々でした。ましてや、旅行や休日といった浮足立っている状態の異なる文化背景を持つ人と交流することに、始めは戸惑いを感じることもありましたが、徐々に他文化を受け止められるようになり、楽しさが増していきました。当時、旅行客として来た何名かのお客さんは、いまでも連絡を取り合う仲の友人となっています。

3. これまで行った国で一番面白かった国は?

大韓民国。街の作りや人など、見た目や雰囲気は日本に似ている所が多々ある一方で、街中のゴミの多さに違和感を覚えました。地元が東京なので学生時代は新宿渋谷のお世辞にもキレイとは言えない部分を見てきて、そういった場所ではゴミより汚れが目立つ印象でしたが、韓国はゴミが多く落ちている(ポイ捨て)印象が強かったです。ビルや街路樹は新しく煌びやかに見える分、ゴミが際立って見えたのが記憶に残っています。

また、行きかう人はキレイに着飾り、夜はビルの灯りや屋台の賑わいで明るい街に見える大都市のど真ん中に、両足のない老人が物乞いをしている姿も印象深かった場面です。日本では生活保護やシェルターなど、一定の生活を保障されている人が多いことを感じました。反対に、日本では人の多様性を知る機会が少ないとも感じました。

4. これまで行った海や山などの自然環境でお気に入りの場所は?

カナダのイエローナイフ、ユーコン。両方とも人と自然の距離が近いのが特徴です。そのためか、殆どの住民に自然を尊敬し共生する気持ちがあるように見えました。友人宅に遊びに行った際に、自宅の裏庭をクマの親子や小型バス程のヘラジカが通る姿を窓から見た時の衝撃は忘れられません。夏は暑くても20度を超える日が少なく、日本では肌寒く感じる気温でも、現地の人は半袖半ズボンで過ごしていました。寒くないのか尋ねると、「寒くても今しかTシャツで外に出られないから」と言う答えが返ってきたのも印象深かったです。

沖縄県阿嘉島の海の世界観は、言葉や写真では絶対に伝わらないと思います。緊張で怖い楽園の様な異世界だと感じました。普段行く海は、人が多く救急車も30分以内に到着できるような環境で、自分の身に何かあっても助けてもらえるような場所ですが、阿嘉島は真逆です。人は少なく、救急車や警察もなく、何かあった時に周囲に頼れるような環境ではない一方で、そういった環境だからこそ本当の意味での自然を感じることができます。「自分のルールでは遊べない」自然のルールを感じ取って遊ぶことができれば、最高に楽しめる場です。一見危険視されているサメなんかも見ることができますが、もちろん近寄りすぎたり、サメにとって嫌な事をしたらサメなりの「やめて!」が返ってきます。大型のエイなんかも近寄りすぎると警戒されますが、エイと対話し承認を得られれば一緒に泳ぐことができます。沖縄本島北部の山原エリアも世界的に珍しい生き物の宝庫とされており、散策していると絶滅危惧種に遭遇できる確率が高い国内でも特殊なエリアです。

5. もあなキッズ自然楽校ではどんなことをしてきた?

もあなキッズ自然楽校に入職してから、子ども達に「自然って楽しいな」と感じてもらうことを意識して時間を過ごしていいます。人それぞれ楽しいと感じるものが違うので、その全てに共感し、その次は楽しく感じたことを誰かに伝えられるようになってほしいと願いながらアプローチしています。

実績:海山ビギナーズ、海山eco、もあなジャーニー、地球の日、海遊びキャンプを始めた。

6. アーススクールでこどもたちに伝えていきたいこと。

自身の興味・疑問に自信を持って、探究する大切さを伝えていきたいです。
興味・疑問を持つにはある程度の体験や知識が必要で、まずは、この「ある程度の体験と知識」を自身のものにしてからがスタート。何かを探究している間に人から「なんのためにそんなことやってるの?」「そんなことしてないで勉強しなよ」「それなんの意味があるの?」など言われることもあると思いますが、周囲を気にせず進むことの重要性を感じてほしいです。
最終的に、1つの事を理解したら他の事に当てはめて考えるとこができたり、関係性を感じてもらい、あらゆる物事はつながっている事を伝えたいと考えています。