~ヒトの世界~『テーマ研究④』 7月6日

今週のアーススクールは、これまでに引き続き自分のテーマを調べる時間です。

前回は縄文時代から室町時代までの建築を調べたので、今回はその続きから行います。

 

【思わぬ路線変更が…】

この日、調べる予定の内容は江戸時代から令和までの家の特徴です。

 

まずは江戸時代の建物について調べました。

はじめに江戸時代の屋根について詳しく見ていきます。

 

江戸時代の家は瓦屋根を採用している家が多くあったようです。

ですが、現代において瓦屋根はお城や古民家のようなイメージが強く、生活の中ではなかなか馴染みがありません。(瓦割りでパンチして割られている方が子ども達には馴染みがあるかもしれませんね(笑))

動画を見ながら瓦がどのように作られているのかの行程を調べました。

ですが…

「ちょっと休憩する」

「5分休憩にしようかな」

「もう一回休んでくる」

 

この日は、なかなか集中力が続きません。

調べていく中で、思うように進まなかったり、気分が乗らなかったり、予定していたものとは違った方向に進んで行くことがあります。

この日はそれに当てはまる部分が多く、この子の調べたい気分や進み具合はあまり芳しくないようです。

本人もそれを感じたようで気持ちを切り替えるために「ちょっと休憩する」とこまめに休憩をとっていました。

 

暑い日が続き、だらけてしまいたくなる気持ちが大きくなるのは分かります。

ですが、調べ作業をしっかりとやらなければこの日目標にしていた部分まで進めることができないということは本人も分かっています。

 

そこで、子どもから路線変更の相談を受けました。

 

子「このままじゃ終わらないから、内容を変更して時間内でできることにしようかなって思うんだけど、どうかな?」

スタッフ「どうやったら’’これまでやったこと’’と’’今調べている内容’’を時系列で繋げて形にできるかを考えられるならいいんじゃないかな」

子「それなら、令和までやろうと思っていたのを江戸までにする代わりに、江戸までのことを全部調べるっていうのは?」

スタッフ「どんな変更でもいいと思うけれど、計画を何回も変更していたら自分の調べたいことができなくなるよ。妥協ではなくて自分がやりたいことを最大限できることが大切だと思うけど、その辺は大丈夫?」

子「この新しいやり方なら最後までできる気がする」

 

相談しながらプランを組み直し、調べる時代を狭める代わりに、より深く知るという選択肢を選びました。

『やりたいこと』『できること』『やらなければならないこと』を区別しながら、どうすれば自分が楽しくできるかを考えていました。

 

【楽しい学びにするために】

そこからは、どうすれば自分好みの学びになっていくかも同時に考えながら作業をしていました。

考えた結果、『ずーっと座ったまま、タブレットの中の文字を読んで写す作業に飽きてしまう』ということに気づきました。

 

なのでそこからは、動画を見たり、実際に自分で動きながら調べるということを積極的に取り入れていました。

 

例えば、外に出て現代と江戸の建築の違いや、建物の作りの特徴について考察しました。

 

「江戸時代はこんなに大きい家はないよね」

「あんなに大きなガラス張りの建物は昔にはないよね」

「屋根の形が平らだったり三角だったりするのはなんでだろう?」

 

これまで調べてきて様々な建築の工夫を知ったことで、普段は景色の一部になっている建物からもたくさんの疑問を見つけることができました。

 

また、室内では江戸の長屋の広さ調べを行いました。

 

「4畳半の広さに4人家族とかが生活していたんだって。4畳半は270㎝だから…意外に広いかも!」

 

長さを測りテープを貼って、アーススクールの中にはテープで囲まれた4畳半が完成しました。

実際に寝転がって4人で寝ることを想像してみたり、ご飯を食べるテーブルのサイズを考えてみたりしました。

 

子「うちはご飯の部屋と遊ぶ部屋とお風呂の前の場所とかがあるから」

スタッフ「じゃあ、その家が今日からこの広さになったらどう?」

子「狭すぎて嫌に決まってるじゃん(笑)」

 

自分ひとりの部屋だと広いようにも感じますが、そこで生活するということをリアルに想像したら狭いと感じてしまいますよね。

 

自分なりに集中力を保てる方法を模索しながら、この日の活動が終了しました。

 

【まとめ】

この日は、予定とは違った形で作業を進めました。

想像通り進まないことはこれからもたくさんあるかと思いますが、修正をしながらできることを最大限やることが大切です。

 

この日はスタッフに相談をしながらどうしたらできるかを一緒に模索しました。

学ぶ方法もどうやったら楽しいものになるかを探して、自分が楽しいと思える方法を実践しながら活動を進めました。

少し立ち止まって、トライ&エラーを繰り返しながら自分に合った方法を探す時間も大切だということを、大人も子どもも感じた1日でした。

 

ライトマン