先週に引き続き、今回も『ヒトが作ったもの探し』を行いました。
先週の駅周辺の環境とは全く違うフィールドで、子ども達は何を見つけたのでしょうか。
【緑道での人工物】
緑道まで向かう道のりは、ヒトが作ったものばかり。
道路、看板、横断歩道、神社、電柱などなど…
「ひとが作ったものばっかりだけど、木は自然かもね」
「あーたしかに」
緑道内には木やせせらぎ、土や石など多くの自然物があります。
ヒトが作ったものを探すのは難しいような気もしますが、どんなものがあるのでしょう。
緑道に入ったら子ども達は周りをきょろきょろ。
そこら中に木や草があり、砂利の道を進んで行きます。
「ヒトが作ったものはあんまりないかもね」
電柱はヒトが作ったものというのは見たら分かります。
ですが、それに加えてこの街灯が木の模様をしていることにも気づくことができました。
恐らく、緑道を利用する人が自然を感じるために景観を統一するための工夫でしょう。
「これは完全に自然だわ」
緑道にある木はヒトが作っていないと判断したようです。
ヒトが作っていないという判断をするには、どのような要因があるのでしょうか。
【基準は何だろう?】
アーススクールに戻ったら、今回通った道の写真からヒトが作ったものを探すワークをしました。
写真に丸をつけながら、ヒトが作ったかそうでないかを判断します。
話が進んで行くと子ども達から一つの疑問が出てきました。
「この石垣ってひとが作ったものかな?」
「石だから自然だけど、ひとが加工しているからどっちかわかんないね。」
「この看板も鉄で作られているよ。鉄っていう事は自然から出てきたものだから自然も当てはまるんじゃない?」
「でも、ひとが作ったかどうかを考えるんだったら、ひとが作ったことになるんじゃない?」
子ども達の中で意見が分かれました。
「写真に写っている僕の服はひとが作ったものだね。」
「そうだね」
子ども達の意見がそろいましたが、ここでスタッフから考えてほしい課題を投げます。
スタッフ「その服って何から作られているか知ってる?」
子「知らない」
スタッフ「じゃあ、服の素材が書いているタグを見てごらん」
子「綿100%って書いてある」
スタッフ「綿って何からできているの?」
子「分からない」
分からなかったらすぐ調べる。
動画で綿の栽培方法について調べてみました。
「へーもともとは植物なんだね」と子ども達。
「ということは服も自然なのかな?」
「でも、服は絶対ひとが作ってると思うけどな」
子ども達の思考が混乱してきました。
このように考えることで分からなくなっていくこともあるでしょうが、この考える過程こそがアーススクールで大切にしたいことなのです。
【思考の転換】
考えても分からなくなってしまったので、スタッフからアドバイスを出しました。
「今の考え方だと、どこの過程を切り取るかによって答えが変わっちゃうよね。だから、そのモノをひとが作ったかどうかでなく、自然のモノかそうでないかというように考え方を変えてみたら?」
『自然』を辞書で調べてみると、『人手を加えない、ありのままの状態』だそうです。
「じゃあひとの手の加わっていないものを探してみよう!」
ヒトの手が加わっているかそうでないかということになれば子ども達の答えもスイスイ出てくるようになりました。
「鉄からできているけど、これはひとの手が加わっているよね」
「じゃあ、この緑道ってひとが管理しているから自然じゃないってこと?」
「今日見た中でひとの手が加わっていないのは太陽とかくらいじゃないかな」
タブレットを使って、緑道のモノを作るのにヒトの手が加わっているかそうでないかを調べていくと、グループ分けがより捗りました。
【まとめ】
子ども達の発想は、スタッフが想像できないところまで飛躍していきます。
また、その過程でどのように考えたかを言語化することで、話し合う内容もより深くなっていきます。
今回のように分からなくなった時には、聞く、調べる、一緒に話し合う。
このような調べ方や話し合いができることで、アーススクールでの学びはより深いものになっていきます。
モノの素材までさかのぼって考えることができる発想力や自分の意見を伝える力がどんどん育っていけばいいな~と思います。
ライトマン