今回のアーススクールは谷川先生をお招きし、緑道でクモの観察会を行いました。
昨年度も谷川先生にお越しいただき、とても面白いクモ観察を実施していただきました。
去年は5月ごろにクモ観察を行いましたが、季節が変わった今回はどのようなクモや生き物を見つけられるのでしょうか。
【このクモの名前はなに?】
世の中にはたくさんのクモがいますが種類が分かるクモは数種類で、ほとんどはひとくくりに『クモ』と呼んでしまうことが多いような気がします。
では、普段から利用している緑道にはクモは何種類いて、それらにはどのような特徴があるのでしょうか。
緑道に入ると早速クモを発見しました。
この木の間に巣を作っていたのはカグヤヒメグモというクモです。
「えー!クモなのにかぐや姫って名前なの!?」と子ども達も少しずつクモに興味を持ち始めました。
少し進むと木の上の大きな巣の中に、大きなクモと小さなクモを発見しました。(同じ巣の中に2匹のクモがいるのです。)
これはジョロウグモです。
先生「大きいのと小さいのがいるでしょ。大きい方がメスで、小さい方がオスなんだよ」
子「大きさでオスとかメスとか分かるんだね」
「ほら、ここにもクモがいたよ」と先生が呼び止めます。
子ども達は先生の指さす先を見てみますが、そこにはクモの巣を見つけることができません。
「どこ?」『ほら、ここにあるよ』
「えーどこ?見えない」『指の先の所に見えるよ』
「え、これ?」『そう、これのことだよ』
クモの糸が放射状に広がっているような一般的なクモの巣を想像しながら探していましたが、そこにあるのは切り株の根元からひものようなものが3センチほど飛び出ているもの。
これはジグモの巣です。
巣自体も木の色に似ているので、巣の形状を知らなかった子ども達はどこにあるのか分からなかったようです。
そこからは子ども達も少しずつクモを見つけることができるようになっていきました。
「クモみっけた!先生、これは何のクモですか?」
『これはジョロウグモだね。これはオスかな?それともメスかな?』
「メス!!」
『そうだね。覚えてきたね』
子ども達も簡単な種類のクモは違いが分かるようになってきました。
▽とてもきれいに放射状に巣が作られています。「こんなの作ったらクモも疲れちゃうかもね」とクモの気持ちになって巣作りの様子を想像します。
容器に捕獲しての観察もしてみました。
クモがどっちに逃げるかを考えたら簡単に捕まえられるよと先生は言いますが、子ども達はクモを捕まえるのにかなり苦戦している様子。
それでも、いくつかのクモを捕獲し、先生に特徴を教えてもらいながら観察しました。
そして、昨年度も観察したトタテグモも観察してみました。
今年も土に紛れたクモの巣をたくさん発見することができました。
▽この穴がトタテグモの巣です。扉を作って外敵の侵入を防ぎます。
子ども達も興味津々でトタテグモの巣を探しました。
「これそうかな?」
『これはただの石だね(笑)』
「じゃあこれは?」
『これも似ているけど土だね』
「これはどうかな?あ、こっちは?これは?これもそう?」
先生への質問攻めを続けながら、クモについてたくさん学び、今回の観察会は終わりました。
【谷川先生に質問!】
最後に谷川先生にクモのことや先生についてたくさん質問しました。
「クモは何匹飼っていますか?」『30匹くらいかな。タランチュラも飼ってるよ!』
「餌をあげるのは大変ですか?」『クモは1週間に1回くらいしか餌を与えないから大変じゃないよ』
「クモの標本は何個持っていますか?」『12000個くらいあるよ』
「新しいクモを見つけたことはありますか?」『たくさんあるよ』(タニカワアシナガグモ、タニカワフクログモなど先生の名前が入ったクモもいるほどです。)
「好きなクモは何ですか?」『キムラグモっていうクモが好きなんだよ』
「先生の好きな食べ物は何ですか?」『シュークリームかな(笑)』
他にもたくさんの質問をさせていただきました。
これまでにいくつもの新種を発見や記載をされている谷川先生から貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。
図鑑はまだしも、インターネットにも載っていないようなお話もあり、子ども達も目を輝かせていました!
【まとめ】
今回は普段行っている緑道でクモ観察を行いました。
そして、何気なく通っている緑道の中で17種類ものクモを発見することができました。
長年クモの研究をなさっている谷川先生に来ていただいたからこそ知ることができたこともたくさんあると思います。
この貴重な経験を、これからのそれぞれのテーマ研究に生かしていって欲しいと思います。
ライトマン
▽当日の活動の様子の映像はコチラ!