今回も自身で決めたテーマについて調べる『テーマ研究』を行います。
登校してからどんなテーマについて調べたいかを聞くと「今日もチョコレートやる!」とのこと。
というわけで、先週の続きから『チョコレート作りについて』の調べ作業を進めます。
【カカオはどこからきているの?】
まずこの子が気になったのは、カカオ豆の生産地についてです。
前回の授業ではカカオ農家の現状を映像で見ましたが、そもそも私たちの生活でカカオの実や豆を見ることはほぼ無く、カカオを身近に感じることは難しいです。
「カカオってどこでとれるの?」
そんな疑問から今回のテーマ研究が始まりました。
まず初めに、カカオの豆がどんな国でよく獲れているのかのランキングを見つけました。
世界でカカオの生産量が多い10か国が掲載されており、よく知っている国、聞いたことがある国、全く知らない国など様々です。
ランキングに入っている国をホワイトボードに書きだしてみました。
「あっ!ガーナは知ってる!」
「エクアドルなんて初めて聞いたわ」
この子の知っている国名は、テレビなどのスポーツ中継で聞いたことのあるものが多かったようです。
▽「こんなに書いたら手が疲れちゃうよ…」と国名のカタカナをひたすら書いていきます。
【なぜそこでカカオが獲れるの?】
順位が分かったら、次に位置関係を確認します。
付箋に順位の数字を書いて、それを世界地図に張っていきます。
すると・・・
アフリカの西部に付箋がたくさん集まりました!
これだけでは何が要因なのかは分かりませんが、これだけたくさん集まると何かしらの理由があると考えられるでしょう。
▽南アメリカ大陸にも4枚の付箋が付きました。このあたりの地域もカカオ生産に向いている条件があるのかもしれませんね。
カカオが獲れる地域が分かったら、どうしてそこで獲れるのかを調べました。
カカオが多く獲れる地域は、1年中気温が高く一定であり、降水量が多いことが条件であるようです。
なので、その気候帯に属する西アフリカと南米では多くのカカオが獲れるということなんですね!
また、調べていくとカカオ豆の価格が近年急激に高騰していることが分かりました。
その上がり幅は、20年で6倍以上だそうです。
「なんで高くなっているのかな?」
疑問はもっと深い部分まで進んで行きます。
コートジボワールやガーナなどカカオ生産の主要地では、大きな気候の変化があるようで、カカオが十分に獲れていないようです。
供給量に対して需要が大きすぎることから価格が高騰しているということがわかりました。
子「カカオの値段が高くなったら、カカオ屋さんはお金持ちになれるね」
スタッフ「でも、商品(カカオ)が少ないから、入ってくるお金が少なくなるかもしれないよ」
子「あー、じゃあ作っている人の貰えるお金って変わったのかな?」
疑問が枝葉のように分かれていき、ほとんど休憩もしないままこの日の授業を終えました。
【まとめ】
今回は調べたことに対しての疑問が次々に出てきて、知識や情報が枝葉のように分かれていきました。
これによって、調べてきた内容に深みが出てきましたね。
また、その情報同士をリンクさせられたことで、カカオ生産を様々な角度から考えることができました。
文章を理解する国語、世界地図を調べる社会、値段を計算する算数、カカオの生産条件は理科に通じ、他にもたくさんの学びの要素がこの調べ作業に含まれています。
様々な教科を横断的に活用することで、知識の幅がどんどん広がっていくのです。
ライトマン